東御所址3
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─ 雪姫伝説 ─

雪姫は戦国時代の伊勢国司北畠具教の娘であります。織田信長の伊勢侵略における和議の際に信長の息子織田信雄(北畠具豊)と結婚しました。その後、天正四年(1576)、信長は非道にも具教卿はじめ国司一族を惨殺し、伊勢を支配下に置いてしまいます。その際の雪姫の消息は不明ですが、このような伝説が残ってゐます。

すなはち、雪姫は東御所内にあって、父上の後を追って自害しようとしましたが果たせず、桜の木に縛られてゐました。そこに白いキツネが現れて雪姫を救い出し安全な場所にいざなって、そこで雪姫は生涯を全うしたのであります。

以降400年、その桜の木は幹が枯れても再び芽を出して育つ不可思議を示し、里人はその根方に雪姫大明神と稲荷大明神をお祀りしたのです。